アメリカ大統領選は大接戦で蓋を開けてみるまでわからないようです。金曜日の読書”Hillbilly Elegy”の著者J.D.Vance氏は共和党の副大統領候補ですが、話がうまく、機を見るに敏で、どっちに転んでも将来の注目株だと思います。さて、本は第12章、オハイオ州立大学を卒業してからYale UniversityのLaw Schoolに進学します。イェール大学はivy leagueアイビーリーグに属する有名大学です。
https://en.wikipedia.org/wiki/Ivy_League
Law Schoolは今では日本でも存在する「法科大学院」で、弁護士をはじめとする法曹になるための学校です。この本の叙述を見ると書類選考だけで合否が決まるようです。また、学部長の推薦書などは不要のようです。すなわち学部の成績証明書だけで合否が決まるということでしょう。面白いですね。20万ドル(3000万円!)の学費がかかるそうですが、著者は貧しかったので毎年数万ドルの奨学金が得られ、かなりの負担軽減になったようです。このような制度はハーバード大学等他の大学でも存在するそうで、親の年収が3万ドルの場合は、学費が通常4万ドルのところ、1300ドルに減免されるそうです。しかしその制度は貧困層(少なくともHillbillyには)に知られていないため、はじめから進学など考えないとのことです。イェール大学に通学しているとテレビに出てくる政治家(英国首相、元・州知事など)など有名人が講演で毎週のように入れ替わりで大学にやってくるのを物珍しく感じたり感動したりして過ごします。周りの学生は中流から富裕層出身で、年収16万ドル(2400万円)は高給とは言えず、卒業したらそのくらいすぐ稼げると考えていて、貧困層出身の筆者に皆興味を持ちます。経歴について嘘は言わないことにしますが、心の中に大きな葛藤が生じます。レストランでパーティをした後、級友は片付けずに帰ってしまいますが、筆者ともう一人の貧困層出身の学生は、レストラン従業員のことを考えるといたたまれなくなり片づけて帰ります。このへんの記述は事実でしょうが、政治家になることを見据えた自己アピールの可能性があります。
英語は本文から。
“The first semester was structured in a way to make life easy on students. While my friends in other law schools were overwhelmed with work and worrying about strict grading curveds that effectively placed you in direct competition with your class mates.”
strict 厳密な
grading curves 採点の(成績分布)曲線
competition コンペ「ティ」ション 競争
“No everything came easy. I always fancied myself a decent writer, but when I turned in a sloppy writing assignment to a famously stern professor, he handed it back with some extraordinarily critical commentary… This is a vomit of sentences masquerading as a paragraph. Fix”
fancied 想像した、夢想した
a decent writer 書くのが 上手
turn in 提出する
a sloppy writing assignment いい加減な書き物の宿題
stern 厳しい
hand it back 突き返す
extraordinarily エクストラオーディ「ナ」リりー 桁違いに、非常に
commentary コメント
a vomit of sentences masquerading as a paragraph 段落に見せかけた文の吐しゃ物
Fix. 修正せよ。