望遠鏡の補償光学系のしくみ Shack-Hartmann 光学系

Keck望遠鏡やすばる望遠鏡で使われているadaptive optics(適応光学系、補償光学系)は面白いです。光の波面をマイクロレンズの列に通すと、小さい領域に分かれて結像しますが、そのとき光の波面の方向によって焦点位置が横にずれます。それをイメージセンサーで測ると波面の揺らぎがわかるので、反射望遠鏡の鏡も分割しておいて、波面の揺らぎが平行になるようにそれぞれの鏡を動かすという仕組みです。賢いですね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%B3%E6%B3%A2%E9%9D%A2%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5
原理は1900年の発明で、ドイツの天文学者Johaness F. Hartmannによります。この人はより良い観測条件を求めて南米アルゼンチンの天文台長になるなど、すごい行動力の人ですね。知り合いを見ても天文学者はそんな人が多い印象です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%B3
マイクロレンズを組み合わせたのがR.Shackで、1970年ころです。これとイメージセンサーとデジタル信号処理が実用化には必要だったということですね。
補償光学系の実験キットが市販されていますが、440万円だそうです。ちょっと買ってみるというわけにはいかないです。1秒に880回の波面検出・補正が可能だそうです。風などによる大気のゆらぎはこのくらいのスピードで十分かもしれません。
https://www.thorlabs.com/newgrouppage9.cfm?objectgroup_id=3208
人間の目のレンズ形状の精密測定にも使えるそうです。2010年発明で、頭がいい方法です。
https://patents.google.com/patent/US8783871?oq=8783871
シャック・ハルトマン光学系は覚えておくといいことがありそうです。昆虫の複眼を思い出しますが、波面の変化を見るということは3次元情報が取れるということなので、全く無関係とはいえないかもしれません。

英語は なぜか https://en.wikipedia.org/wiki/Arthropod_eye から。
arthropod 「ア」ーすロポッド 節足動物  arthro=節、 pod =足 ギリシャ語→ラテン語
compound eye 複眼
simple eye 単眼
ocelli オ「セ」り 単眼 level なし、専門用語ですね。
arachnids ア「ラ」クニド クモの仲間
caterpillar イモ虫
insect larvae 昆虫の幼虫、 larva の複数形がlarvaeです。幼生
sawfly ハバチ
copepod カイアシ類 ケンミジンコの仲間
crustacea 甲殻類
crust 殻、地殻、パイやパンの皮
crab カニ
horseshoe crab カブトガニ
anisoptera  不均翅目、トンボ目  aniso = 不均 ptera=羽 
pteranodon プテラノドン 翼竜の一種 nodon = no teeth 歯のない翼
ephemeroptera カゲロウ目 ephemeraは「はかない」「短命な」で、一時的なメモををさす英語です level 19 エ「フェ」メラ  カゲロウ=はかない翼 ですね。
drosophila ドロソ「フィ」ら ショウジョウバエ
myriapods 多足類 myria = 多 pod = 足
myriad 「ミ」リアッド 無数の、無数  level 9  ギリシャ語

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