私は教師として「たとえ話」を工夫する努力を続けています。ただ、うまい対応関係がない場合もあり、たとえ話だけでは誤解を招くこともあるので注意が必要です。その一つの例が昨日のSOLID原則の”L”, すなわち「リスコフの置換原則」にあります。たとえ話では、「上司は部下を置換できなければならない」でした。ソフトウェア工学の言葉で”superclass” と “subclass”というのがあり、このたとえ話では、superclass が上司(supervisor)で、subclassが部下(subordinate)に対応しそうですね。ところが、置換可能なのは逆で、subclassがsuperclassを置換します。変ですが、ちゃんと考えればそれほど難しくありません。superclassが「祖先」でsubclassが「子孫」と考えると、祖先ができることは(バージョンアップ=機能強化した)子孫もできるはず、という原則が成りたちそうで、逆ではない、というのはわかると思います。つまり、バージョンアップするとき以前の機能が使えなくなってはいけない、というたとえを作ることもできます。Microsoft Windowsなどは頑な(かたくな)にそれを守っていました(が、最近はそうでもないですね)。日本語ではsuperclassを親クラス、subclassを子クラスと訳し、リスコフの置換原則は「子は親の規則を書き換えてはいけない」となります。「上司と部下」のたとえ話があまり良くなかった、という結論になります。
英語は、会社組織の単語を見ましょう。 サイトによって若干(じゃっかん)違っています。多分会社によって、国によって、違う言葉を使うことがあるのでしょう。
https://www.daijob.com/tipsadvice/resume_wordbook/title.html
https://eow.alc.co.jp/search?q=%E5%9F%B7%E8%A1%8C%E5%BD%B9%E5%93%A1
会長 chairman, chairperson
社長 president (大統領、も同じ)
副社長 vice president ヴァイス (副大統領、も同じ), たくさんいることもあり、executive, seniorなどをつけることもある
代表取締役 representative director
最高経営責任者 CEO chief executive officer
取締役 managing director
専務 senior managing director, executive managing director, senior executive director
常務 managing director, executive director
執行役員 operating officer, executive officer, corporate officer
監査役 auditor 「オ」ーディター
部長 manager, director, head of department
課長 department chief, section chief, section head
係長 unit head
主任 supervisor, chief, head
平(ひら) staff, employee
労働者 worker, employee
アシスタント assistant
理事長 board chairman
学長 president, chancellor 「チャ」ンセらー(終身の総長, ドイツの首相, イギリスの蔵相), provost (英)
監査法人 auditing firm
公認会計士 CPA certified public accountant (米)
上司 supervisor
部下 subordinate