You are not litening (13)最終章 現代人はちゃんと聞いてもらうことに飢えている

金曜日の読書 You are not listening は最終章 Conclusion です。教会の告解室の話から始まっています。私も学者仲間に外国の教会を案内してもらったことがありますが、小さい個室がたくさんありました。聖職者の人たちが心理カウンセラーの役割を果たしているのだと思います。この章にも聖職者はお互いに告解をしあっているという記述があり、この点も心理カウンセラーと似ていると思います(おそらく心理カウンセラーという職業が成立したときに参考にしたのでしょう)。告解を求める人の行列は最近どんどん長くなっているそうで、対応する聖職者は残業続きだそうです。現代人は「聞いてもらう」機会を欲する危機的状況にあるという結論です。聴く能力はスポーツや楽器の演奏のように練習と継続によって磨くことができるが、完全な達人の境地には達することができない、注意して聴くことにより本人も周囲の世界もより生き生きする、など説得力があります。
この本は確かにベストセラーとなる内容と構成を備えていると思います。各章はNew York Timesのジャーナリストとしての個人的経験から始まり、専門家(生理学者、心理学者、哲学者など)の説を紹介しながら一般論に拡張し、最後は読者が使える処方箋を提示します。個人的経験の描写は生き生きとしていて名文です。途中で現れる比喩も卓抜で、言葉とその喚起するイメージについてよく考えていることがうかがわれます。小説家の修行には名文を書写することが有効である、というのはよく聞きます(ついでにプログラミングの修行も同じだそうです)。今回は英文を読み込んだので時間のやりくり(木曜日の夜中)が大変でしたが、勉強になりました。少しは英語が上達しているといいのですが…

次回から、金曜日はAlso sprach Zarathustra(Thus spake Zarathustra, ツァラトゥストラかく語りき)を中心にニーチェを英訳で読んでいきます。英訳は古語(例 spake)が頻出するので、その解説もできそうです。
ニーチェ全集(4000ページ超)がamaz  on kindle で244円なのは驚きました(Zarathustraのドイツ語は0円!)。日本語訳は訳本が出ているものだけで1万円を軽く超えると思います。
https://www.amazon.co.jp/dp/B010E9QZJQ

英語は本文から。
a confessional booth 告解室   confession 自白、告解、告白
a bail bond 保釈証書 ベイル 保釈、保釈金 level 8
Our Lady of San Juan 聖母マリアのメキシコとテキサスのローマカトリックにおける称号
“In fact, how one responds is the measure of a good listener and, arguably, the measure of a good person.”
measure ここでの訳は 指標 でしょう。
arguably おそらく間違いなく level 11 わかりにくい言葉ですが、議論で証明できる → 間違いなく と覚えればいいと思います。
indefinitely 不明確に、漠然と、無期限に
divine truth 真実を見抜く  divine は神性 という形容詞ですが、見抜くという動詞もあります。
To err is human, to forgive is divine. 人間は過ちを犯し神は許す。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%AD%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%97
detect deception 欺瞞を検出する
empathy = the ability to understand other people’s feelings and problems 共感力

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