No B.S. Price Strategy(4): 6章「無料」の広告利用法の具体例、7章 コモディティ化を回避せよ

金曜日の読書”No B.S. Price Strategy:…”は第6章と第7章です。
第6章では、第5章の「無料を広告に利用する」の実例としてあがっていたボーリングの子供向け無料券を配布してボーリング場の売り上げ向上に貢献した会社の社長が実際のノウハウを解説しています。第7章”Antidotes to Commodity Thinking”は、コモディティ化を避ける必要性とその手法について解説されています。これもたいへん重要な点だと思います。commodityは辞書には「サービス(役務)と対義語である”商品”」と書いてありますが、ここでは普及品、ありきたりの商品(ここではサービスも含む)、すなわちブランド品の反対語の意味で使っています。ありきたりの商品になってしまうと価格競争に巻き込まれてしまい、苦しい自転車操業への道が待っています。それを避けるにはどうすればいいかということです。
高く売れる例として、Starbucks コーヒーや、Bayer社(独バイエル社)のアスピリンがあげられています。
処方箋は、”There is no such thing as a commodity, there is only commodity thinking.”であることを認識することが第一歩で、例として、気合を入れるための酸素吸引サービスを売る Oxygen bar という商売をあげています。空気中の酸素はタダだが、ちょっと濃縮してイチゴの香りでもつければ高く売れるのはどうしてかを考えよ、ということです。その他に高級下着、ジーンズ、コーヒー豆、などと例が続きます。
そもそもコモディディが出てきたのはカタログ販売の安売り店(Sears & Roebuck Co.)が大量仕入れで価格を下げるビジネスを始めたことに由来する、ということです。この方向は現在のアマゾンなどe-commerceがとってかわったが、安売りを目指すのは安泰ではないということです。Toy’R UsやIKEAもおもちゃや家具を消耗品(disposable)にしてしまったために性能の低いゴミがあふれるようになった、と言っています。結局安売りを狙う消費者はよい顧客にならず、性能が良いものが永続するという経験を語ります。
The Republic of Teaという会社を紹介しています。この会社はお茶を売っていますが、顧客を「市民」と称し、店員はそれぞれお茶の共和国の「大使」や「大臣」と呼ぶ、ディズニーがやっているようなおとぎの国を作っていて、その雰囲気を楽しめる人にお茶を高く売ることにより利益を得ているということです。また、化粧品のように高値の方が消費者に信頼される商品もあります。頭を使え、というのが章の結論のようです。

antidote 「ア」ンティドト 解毒剤 
“The minute you decide not to think of whatever you sell as a commodity, you liberate new, different, and better price possibilities.” ※ リズムがいいですね。
”Permitting yourself to be perceived as an interchangeable commodity, i.e.., commoditized is a fast and certain path to price and profit erosion.”
permit 許す
perceive 認識する
erosion 侵食
“All this commoditization has been horribly disruptive, intimidating, and confusion, and has killed many mom-and-pop shops; but for every business killed by it, many survive, and some even thrive…. The profitable question for you is: WHY?”
horribly 恐ろしく
disruptive 破壊的
intimidating ビビらせる
mom-and-pop shops 街の家族経営の雑貨屋
thrive 繁栄する  survive, thriveで韻を踏んでリズムを出しています。 うまいと思います。
“Ironically, it can be easier to commit fraud than to persuade people of the value of the legitimate. Because you are unlikely to offer such extreme benefit and trigger such powerful emotions, you need to reassure your buyers more thoroughly. Price can be reassuring or anxiety and skepticism producing.”
ironically 皮肉にも
commit fraud 詐欺を働く
legitimate 法律にのっとる
reassuring 信用させる
anxiety and skepticism producing 不安と懐疑を生む

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